美幌地区会は23日に6月例会を開き、会員で辻コンサルティングオフィスの辻亨氏が話題提供しました。辻氏は大阪府出身。高校卒業後に、北海道での農業従事を目標に酪農経済を学びました。30年間の農協勤務を経て、現在は中小企業診断士として主に農家の経営改善の専門家として活躍中です。
辻氏は、食糧を巡る世界の動向について「現在は世界的に食糧不足に陥っていると感じる。96年の食糧サミットでは8億人の飢餓人口を2015年に半減することで合意したものの、現在それについては2150年になる見通しだ。長期化する食糧価格高騰と、小麦やコメ、とうもろこしの消費量が軒並み増加していることなどが原因に挙げられる」と語りました。
また氏は、「外国産よりも多少高くても国内で生産し消費するというように、20年前に比べ素性の確かなものを適正価格で購入したいと考える消費者が増えてきている」と強調しました。
さらに辻氏は日本農業がもつ特長について「食糧生産機能はもとより、自然エネルギーの供給、水の維持供給、二酸化炭素吸収、さらに食育やグリーンツーリズムを通じた豊かな人間力形成に寄与する側面も持っている。かつてのような農業を蔑視する風潮からは大幅な変化が見られる」と述べ、国内や国外で取組まれている新しい動向について事例を説明し、今後の農業の可能性について触れました。