オホーツク支部は17日に政策セミナーを開き、「中小企業こそが新しい地域を築く」と題して、東京農業大学生物産業学部の小松善雄教授が講演しました。氏は中同協企業環境研究センター委員としても活躍するなど、同友会と深い関わりをもっています。
小松氏は冒頭で現在の経済情勢について触れ、「国のメニューに基づいた政策だけでは、地域振興を図ることはできない。必要なのはそれぞれの地域にあった政策だ。それがなければ地域と中小企業は立ち直ることができない」と述べました。
さらに、全国の中小企業振興基本条例について触れた小松氏は、「条例は都道府県レベルでも制定されているが、市町村との決定的な違いは審議会設置を謳っているかどうか。北海道内各地で制定された条例は審議会設置を謳っている事例が多く、非常に重要なことだ。様々な機関から横断的に組織する必要がある」とし、商品開発から販路まで携わるワンストップサービスに取組む東大阪市の事例を交えながら話しました。
また氏は、「基本的施策は具体的であることが望ましい。そうすることにより条例施行後の様々な施策を検証することができる」と語り、行政と経済団体が緊密に連携し、地域に合った条例の制定に期待を寄せました。
報告者から指摘があった熊本県中小企業振興基本条例の基本方針を表す第4条の第9項には「安心して子どもを生み、育てることができる雇用環境の整備」とあります。
地域での生活、人生と中小企業が深く結びついているという観点、このようなことが条例に明文化されて取り入れられているのはすばらしいと思います。