先人たちが築いた北見市の歴史、この地域ならではの気候や生活文化などを学びながら、「人間と自然との共生」などについて懇談しました。
]]> 2009年に条例が制定された別海町の取り組みは、全国的にも注目されています。条例制定運動を牽引してきた、同友会南しれとこ支部別海地区会の山口幹事長(富田屋代表取締役)は、「別海町は言わずと知れた酪農中心の町。条例運動を進めるきっかけとなったのは、一次産業従事者と同様に、町内の中小企業者も地域の経済活動においては中心的な役割を果たす存在だと理解してもらいたいという強い想いがあったからだ」と語り、条例制定までのプロセスについて触れました。
また山口氏は、条例制定後の取り組みのひとつである『医良同友(いいどうゆう)』設立の背景について、「条文の8条にあるように、中小企業者として暮らしやすい地域社会の実現に貢献するためには、行政に任せるだけではなく、私たちもできることをやろうということでできた地域医療確保活動だ」とし、行政、商工業者、町民らの緊密な連携の必要性を示唆しました。
さらに、条例制定後に行った「地域内再投資力プロジェクト」で、研究チームの一員として別海町の地域分析を行った北海学園大学の大貝氏は、「ないものを探すのではなく、この地域には何があるのかを徹底的に知ることが重要だ。地域経済の特質や個性を把握する客観的な分析が、施策立案の根拠になる」と強調しました。
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小磯氏は日本の経済構造に触れ、「北海道と東京圏では、仮に国が双方に同額の投資をしても波及効果は全く違い、地方の投資の多くが大都市圏に集中しているのが現状だ。北海道も東京も最大の産業はサービス業だが、東京では2番目に本社産業が多くなっている。これは都市と地方の決定的な違いであり、市場の中心では放っておいても地方からお金を吸い上げる産業構造を持っているということができる」とし、条件が違う都市と地方で画一的な政策を進めることは難しいと述べました。
さらに同氏は経済が成長する要因について、「地域経済が発展していくためには外部からお金が入ることも重要だが、入ってきたお金をいかにして地域内で循環させていくか、外需と内需のバランスをとりながら経済発展を目指すことが重要だ。そのためにはより多くの雇用を生み出す産業の創出、外貨を稼ぐ産業と域内で循環を生み出す産業、そして持続可能な発展が期待できる産業を創りあげることが必要だ」と強調しました。加えて氏は「これまで国は地域間の資金の出入りには全く無関心だった。しかし地域間の競争で成長力は高まっていく。産消協働の意義は自給自足経済を目指すものではない。食の分野ではすっかり定着した地産地消を全産業レベルで考え、足元の地域をしっかりと見つめ直し、経済循環を意識することで、地域の産業間の連携が強まり地域経済全体を元気にしていくというものだ」と述べ、産消協働の意義を強調しました。
最後に小磯氏は、北見市でも制定運動が進んでいる中小企業振興基本条例について「条例は作っただけでは全く意味をなさない。つくり上げた条例をどのように活用するのかを論議することが重要だ。北見市においては北見産業振興ビジョンの経験を踏まえ、しっかりと検証することも必要ではないか」と語りました。
小松氏は冒頭で現在の経済情勢について触れ、「国のメニューに基づいた政策だけでは、地域振興を図ることはできない。必要なのはそれぞれの地域にあった政策だ。それがなければ地域と中小企業は立ち直ることができない」と述べました。
さらに、全国の中小企業振興基本条例について触れた小松氏は、「条例は都道府県レベルでも制定されているが、市町村との決定的な違いは審議会設置を謳っているかどうか。北海道内各地で制定された条例は審議会設置を謳っている事例が多く、非常に重要なことだ。様々な機関から横断的に組織する必要がある」とし、商品開発から販路まで携わるワンストップサービスに取組む東大阪市の事例を交えながら話しました。
また氏は、「基本的施策は具体的であることが望ましい。そうすることにより条例施行後の様々な施策を検証することができる」と語り、行政と経済団体が緊密に連携し、地域に合った条例の制定に期待を寄せました。
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